お知らせ(190303)

こんにちは。今日は桃の節句、お雛さまの日ですね。
栃木はあいにくの天気で、少し肌寒い朝になりました。

今日はちょっとしたお知らせがあります。

那須雪崩事故を受け、「雪崩事故防止研究会」による主催で、雪崩から身を守るための講習会がこの那須で開催されることになりました。

講習会は講演(座学)と実技の2日間になります。

講演では、現役のお医者さんによる「雪崩医療」など、冬山に入るみんなが知っておきたい大切な内容も学べるようです。

①「雪崩教本」著者+医師による 講演会「雪崩から身を守るために」
主  催: 雪崩事故防止研究会

協  賛: (株)ゴールドウィン(株)ミウラ・ドルフィンズ(株)finetrack、        (株)ぬくもりの宿ふる川(株)マジックマウンテン、         Mammut Sports Group Japan(株)日本山岳救助機構合同会社
開催日時:2019年3月16日(土) 10:00〜17:00(入場無料・事前登録不要)
場  所:栃木県大田原市 総合文化会館 小ホール (栃木県大田原市本町1丁目3-3

②雪崩サーチ&レスキュー講習会 basic in 栃木 2018/19
主  催: 雪崩事故防止研究会
協  賛: (株)ゴールドウィン、(株)ミウラ・ドルフィンズ、(株)finetrack、        (株)ぬくもりの宿ふる川、(株)マジックマウンテン、        Mammut Sports Group Japan(株)、日本山岳救助機構合同会社
日  程:2019年3 月17 日(日)9:00〜17:00
会  場:休暇村那須 及び キャンプ場(栃木県那須郡那須町湯本137-14
定  員:30名 受講費:一般 10,000円・学生 3,000円・高校生 1,000円
申込み締め切り:2019年3 月9日(土)(FAX・Mail・郵送でお申し込みください)

詳しくは、こちらから

僕たちは、積雪がある山に、「雪崩」に対する知識が不十分なまま、踏み入りました。それが、あの事故で僕が最も反省すべき点の一つだと思っています。

事故があった講習会は、3月に実施されることから、ここ何年もほぼ春山となっていた那須岳で開催されていたこともあり、みんなの頭の中からすっかり「雪」に対する注意が抜けてしまっていました。

危険を意識して、注意していれば、その危険を回避できる可能性がありますが、頭の中からその事象が完全に抜けていると、人は無防備になり、その危険を回避することが難しくなると思います。

もちろん、「私は雪山には登らない」「私は危ない冬山は山には入らない」という人は、登山愛好者の中に多くいると思います。

しかし、慈悲深く美しい自然は時に想像を絶する厳しさを見せつけることもあります。

これは昨年のこと。8月中旬、私はトムラウシ登山に行っていましたが、その晩には雪が降りました。
翌朝、同じ山域内で男性が遺体で発見されたそうです。
お亡くなりになった原因を深く知っているわけではありませんが、8月の降雪、これは簡単に切り離せるものではないでしょう。

何が言いたいかというと、例は極端でしたが、予期せぬ積雪、雪山に遭遇する可能性は、いつ誰にだってあるということです。

3月27日、あの日の事故を通して、自分の無知を改めて痛感させられました。あの時、当時一年生だった私は、先生や先輩の存在に甘え、計画の全貌を把握し、自分自身でも判断することを怠っていました。
でも、山に入る以上、いつ自分がパーティーのリーダーになるか、自分の知識が必要になるかわかりません。常に準備が必要です。
それ以上に一人一人が考え、その中で隊で協議し判断することが、より良い安全への一歩になるのではないでしょうか。
そのために、学び、経験することは大切ですし、読図や観天望気、医療、動植物、などの知識と併せて、緊急時の対処の一つとして、「雪崩に対する知識」も、身に付けておいて決して損はないと思います。

話が長くなりましたが…
講習会といっても、今回は初心者向けの内容が豊富だそうなので、
私のように経験の浅い方や冬山に興味はあるんだけどまだ怖くて…という方もぜひご参加ください。

私は両日ともに参加予定です。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!

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コメント

  1. 手塚 順嗣 より:

    自分も下界で生活していたら経験しないであろう経験をしています。
    一つは自分が1年生の時のインハイ予選。もう一つは2年の時の夏山。
    一年の時のインハイ予選は、地元で行われました。そして、自分にとっては初めての幕営ではなかったかと記憶しています。確か当時は5月の連休明けがインハイ予選だったと記憶しています。すぐに溶けましたが、一晩で30㎝ほどの雪が積もりました。入部早々ですから知識は無く、軽装です。眠れず、先輩の許可を頂いて、一晩中ラジウス(石油バーナー)を、同期と交代で焚き続けて朝を迎えたことを思い出します。経験のある先輩は、次から次へと防寒着を取り出して「ラジウスを使うのは良いけどテント燃やすなよ!」と、とっとと寝てしまったことを思い出します。山では、春や初夏は真冬になること学びました。(顧問からはしつこく言われていましたが、経験するまで半信半疑でなめていました)
    夏山では強風からの吹雪を、北アルプスで経験しました。当時は、部長は必ず顧問と同じテントでした。夕方の気象通報を聞きながら、翌日荒れる(強風)ことを把握し、最悪エスケープルートも頭に入れ(と言っても引き返して下山しかその場所からは手がない)、顧問と翌日の行動について協議しました。その結果、予定より起床を早めて、風が強くなる前に難所を抜けよう(風の息を狙って抜けよう)と決め、早々に就寝し、
    翌朝02:30起床で行動を開始しました。1~1時間半で難所に辿り着くも、強風のため1時間から1時間半、耐風姿勢で岩場に張り付け待機。叩き付ける雨もいつしかみぞれ交じりなる中、風の息が訪れるのをひたすら待って、どうにか先へ進みました。その後、昼前には時々吹雪の天候となるも、ラジオで天候確認をすると、立山35℃!現在地は8℃と、真冬の下界と変わらずの状況が信じられない猛暑(30年前は今よりずっと気温が低かったので35℃は現在の40℃の感覚)の様子。しかし、一年生の時の経験が生きて、命の危険を感じるほどの寒さとはなりませんでした。(当然、後輩にも経験は伝えていたので、震えるけど凍える者は無し)この年は荒れた天気が多く、その後ひと月の間に、二つのパーティーが、近くの尾根で遭難し、数名が命を落としていたと記憶しています。
    思い出話が長くなりましたが、冬山、雪、雪崩に話題が集中しがちですが、そもそも山に登ると言う事は、「自ら危険に身を投じる」、極論すれば「自ら死地に向かう」ことだといううことを忘れているのではないかと感じます。東日本大震災で、想定外との言葉に批判が集まりましたが、果たして人は自然の全ての事象を想定できるのでしょうか?できたとして、対処できるのでしょうか?私は到底できないと考えます。
    でも山には登りたい。できることは、最大限の備えをすること(勉強や装備も含めた全般、考えが及ぶすべてで)しかなく、それでも絶対はないのです。
    冒険家やスペシャリストが、全員、目的を達して、無事に帰還したでしょうか?答えは否、結構な人数がなくなっています。安全神話なんて言葉がありましたが、みんな安全で平和な生活に慣れすぎて、そうでない状態が許せなくなっているのかなと感じます。
    私が山岳部に入ることを親父に伝えたとき、「死ぬこともあるぞ!承知の上か?」と言われました。「百も承知!」と答えて入部しました。自分が行おうとしていることに潜むリスクを意識したうえで挑むことが肝要ではないかと思います。幸い、私は親父の言葉で入部前に意識できていました。そして、すぐにその言葉の意味を実体験を通して知り、幸運にも無事にやり過ごし、今に至っています。