鏑木悠輔先輩

鏑木先輩をもし一言で言い表すとしたら「天真爛漫」。そんな人です。

先輩は、普段はあまり自分を表に出しませんが、心のうちに秘めたハートは、まさに太陽の様に熱い情熱を持っていました。

そして誰よりも1年生を気遣ってくれる。そんな優しさに溢れた方でした。

普段は穏やかな先輩。

でも山行が困難な時ほど、率先して藪漕ぎやラッセルを先頭で一心不乱にしてくれていました。

体力的も精神的にも劣る僕たち後輩を気遣って、言葉にこそ出しませんが、気がつけば先頭を進んでくれていました。鏑木先輩は、あえて表には出ずとせず影で部を支えてくれていました。

そんな先輩の背中を観ながら登っていたので、「カブが一緒」というだけでみんな安心して山に入ることができるのです。

また、目標の為に人一倍努力を惜しまない努力の人だということを知りました。

御両親から伺った話ですが、大会前や学校行事が近いと、部活でのトレーニングだけではなく、学校から帰った後にも、四肢にウェイトを着けてランニングをしていたそうです。

飄々としていたあの姿も、周囲の目のないところで積み重ねた努力の賜物だと知り、自分も頑張ろう、そう思わせてくれました。

みんなを支えてくれるその裏には、そんな陰の努力がありました。

事故に遭った当日の朝、鏑木先輩、奥君、僕ともう一人の先輩、4人でくだらない話をして、盛り上がりましたよね。

気がつくと、鏑木先輩と同じテントが多くて、楽しい出来事しか思い出せません。

みんなを盛り上げてくれて、本当にありがとうございました。

天国でも奥君を一際可愛がっていますか?仲のいい2人の面白すぎる掛け合い、また見たいです笑

先輩。

僕は3人で約束したキリマンジャロに必ず登頂します。

だから、先輩は今まで通り天国から僕らを引っ張って行ってください。

僕の進むその先には、いつだって先輩の背中が今も僕にはしっかりと見えています。

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コメント

  1. タケノコ より:

    初めてこのサイトをみました。
    登山初心者のみわさんの親世代に近い年齢です。あの事故はとても記憶に残っています。
    メディアでは誰の責任かという悲しい内容ばかりで、事故にあわれた方の思いはほとんど報道されなかったと記憶しています。
    初心者の私には、雪崩にもし巻き込まれたら…と初めて意識した事故でした

    みわさんが、今もしっかりした考えで登山をしていることを知り感動しました。亡くなられた方を忘れないこと、それが残された私たちに出来ることなんだと私も思います。
    これからもみわさんの言葉で発信を続けて頂きたいです!